【インド旅行記2023⑩】本来のインドが味わえる?穏やかで親切な人が多いカッチの魅力

【インド旅行記2023⑩】本来のインドが味わえる?穏やかで親切な人が多いカッチの魅力
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インドでバックパッカー&働いた経験もある、インドLOVERあきえです。

インドは多様性の国です。

州が違えば言語も違うことは有名ですが、人間性も大きく異なります。

カッチ地方は伝統的な手仕事が魅力で、私も何度も紹介してきました。

しかし、カッチの大きな魅力は「人」でもあると、私は感じます。

インドの他の地域、特に北インドでは、アグレッシブなインド人に疲れてしまうこともありますが、カッチは穏やかで誠実な人が多く、とても心地よく過ごせるんです。

今回は、そんなカッチで人のやさしさを感じたエピソードをお届けします。

2023年10~11月までインドに行ってきました!

5年ぶりのインド。
そして、今回ははじめて南インドも旅します。

【旅の全行程】
チェンナイ

コーチン

コヴァーラム

予定外のムンバイ

ブージ(カッチ)

ジョードプル

プシュカル

デリー

インドを南から北に縦断する壮大な旅のプランです。移動がうまくいくのか?ハラハラしながら旅をしました。

見ず知らずのおじさんの車に乗せてもらう

早朝6時、列車でブージに到着したときのこと。

ブージの駅から市街地までは少し距離があるため、いつもと同じようにuberを呼ぼうとアプリを開きます。

しかし、なぜかエラーのような表示が出る。他にも「ola cab」というアプリもあるのですが、こちらも同じく使えない。

おかしいな?と思いつつ、携帯を見ていると「ブージではuberは使えないよ」と一人のおじさんに話しかけられました。

「え、そうなの?」と、どうしようか悩んでいると、「僕の家まで車で行くから、乗せてあげようか?」と言うではありませんか。

あなたならどうしますか?

「海外で知らない人の、しかも男性の車に乗るなんてとんでもない!危険だ!」と思う人もいるでしょう。

しかし、「この人がいい人か悪い人か」は旅を重ねるとなんとなくわかるものです。さらに、私はブージに来るのは3度目で、この街の人々の雰囲気は知っていました。

このおじさんも「悪い人ではない」と感じました。

そのため、素直に好意に甘えることにしたのです。

聞くと、おじさんは仕事で中国に出張に行って帰ってきたところでした。身なりもきちんとしているし、ちゃんとした英語を話すし、いい会社で働いている人であろうことが雰囲気で伝わってきます。

駅から少し歩くと、家族らしき男性が待っていました。そこで一緒に車に乗り込みます。

男性の家は市街地にあるらしく、私の泊まるゲストハウスにも近いようでした。ゲストハウスの名前を伝え、車内で他愛もない話をしているうちに、あっという間に到着。

「じゃあね」といって、男性は去っていきました。

「特別に親切なことをしてあげた」という雰囲気は一切なく、あくまでも当たり前の、なんてことないことをしただけ、といった様子です。

私はカッチの人の、こういう押しつけがましくない親切が本当に好きだなと思うのです。

カッチに着いて早々、こんな親切に出会えてうれしく思いました。

正直すぎる乗り合いオートのおじさん

カッチでは乗り合いのオートリキシャが一般的です。

カッチのオートリキシャ
カッチのオートリキシャ

通常のオートよりやや大き目のサイズで、後ろの部分もパカッと解放的に空いていて座ることができます。このオートに何人かいっぺんに乗せて、それぞれが降りたい場所で降りていくというスタイルで、ひと乗り20ルピー(約40円)くらいからの超低価格。

しかし当初、私はこの乗り合いオートの仕組みを知らず、ブージのマーケット近くでいつものように走っているオートを捕まえました。

「〇〇まで行きたい」と伝えると、「あっちから乗り合いオートが出ているから、それだったら20ルピーで行けるよ」と言うではありませんか。

何も言わなければ自分のお客さんとして稼げるのに、わざわざ教えてくれたのです。

それだけではなく、「乗ってけ」と言います。

「すぐ近くだから乗せてあげるよ」と。その乗り合いオートがいる場所まで連れていってくれると言うのです!

私からお願いしたわけでもなく、自ら申し出てくれたのです。

乗り合いオートの場所は確かに2分もかからないような近くにありましたが、お金を請求することもなく、去っていきました。

インドのオートは高い値段をふっかけることが当たり前です。それで、ドライバーと値引き交渉をしなければならないのが、毎回面倒でした。

にもかかわらず、この人は正直に乗り合いオートの存在を教えてくれたばかりではなく、わざわざその場所まで連れていってくれたのです。

他の地域のオートドライバーとはあまりにかけ離れたその行動に、私は感激しました。

人懐っこいラバリ族の女の子

前回の記事で書いたニローナ村に行ったときの出来事です。

前回の記事【インド旅行記2023⑨】手仕事好き必見!カッチ地方の村巡りと見どころ

バス停でバスを待っていたときに、制服を着た女の子たちに話しかけられました。(インドJKです!)

ブージのバス停
ブージのバス停。各方面に行くバスがたくさんある

5~6人いたうちの一人が、「どこから来たの?」「どこに行くの?」など次々と質問してきます。

彼女たちは外国人が珍しいようで、興味津々な目を向けてきますが、この一人以外はモジモジして話しかけてはきません。どうやらあまり英語が得意ではないようで、質問をしてくる子が唯一英語ができるようでした。

その女の子に「どこに行くの?」と聞くと「家に帰るの。私はラバリなのよ。お母さんはこういう格好してるよ」とスマホで写真を見せてくれました。

カッチ地方にはたくさんの少数民族が暮らしていますが、その中でもラバリ族は、緻密な刺繍とギャザーたっぷりの「ラバリジャケット」で有名です。

ラバリジャケット
昔、ブージのアンティークショップで見たラバリジャケット。これは男性用の衣装

スマホを見ると、その子のお母さんは伝統的なラバリ族の衣装を着ていました。

この現代的な制服を着て、街中のバスを待っている子がラバリ族?と、頭の中で結びつくまでに時間がかかりました。

そうか。「少数民族の人は村に住んでいて、みんなあの民族衣装を着て昔ながらの生活をしている」と私は勝手に思い込んでいたのです。

しかし現代では、当然ながら子どもたちは学校教育を受け、村から街までバスで学校に通い、この子のように英語ができる子もいるのだとハッとしました。

私は「ラバリ族」「刺繍」「少数民族」というイメージだけで捉えていたことに気づき、反省しました。

その子は「インスタ教えて」と言い、その場でサッと交換。インスタには今時のかわいい服を着て自撮りしているその子の写真がズラッと並んでいました。(自撮りが好きなのは、やっぱりインド人だな)

バス停での短い会話が、私の固定観念を壊してくれたとてもいい時間でした。

ニローナまで一緒に行ったおばあちゃん

バスを待っていたとき、もう一人インド人のおばあちゃんと出会いました。同じくニローナまで行くということで、「この人について行けばニローナ行きのバスがわかる」とホッとしたのです。

おばあちゃんは何かと話しかけてくれましたが、なにぶん英語ができません。ヒンディー語なのかグジャラート語(グジャラート州の言語)なのかもわかりませんでしたが、とにかくジェスチャーと雰囲気でなんとなく会話しました。

バスの中では、自分の携帯番号を私に教え「何かあったら電話しろ」と言います。

「言葉が通じないのに、電話してどうするんだろう」と内心笑ってしまいましたが、おばあちゃんの親切心にほっこりしました。

ニローナのおばあちゃん
言葉はわからずとも、ニコニコ話してくれたおばあちゃん

ニローナのコッパーベル屋さん

前回の記事で、ニローナではわずか1時間の滞在でコッパーベル屋さんに行ったことを書きました。

ちょうどこのとき、ブージから北に行くメイン道路の橋が修理中で、大型車やバスは通れなくなっていたのです。そのために、本来はニローナまで1時間もかからないような道のりを、迂回して2時間以上かかったため滞在時間が短くなってしまったのです。

ベル屋さんで買い物を済ませ、「帰りも同じ時間かかるのか……」と内心げんなりしていたのですが……

「ちょうど今から仕事でブージに行くから乗っていくか?」と、店のお兄さんが言うではありませんか!

私の心の声が通じたのでしょうか?ベル屋さんがブージまで送ってくれるなんて!

修理中の橋は大型車は通れなくなっていましたが、普通自動車なら通行できるようでした。これなら1時間もかからず、ブージに帰れます。

もう私は「ぜひにお願いします!」と、お言葉に甘えてブージまで送っていただきました。

車に乗り込み、途中でお店の人の家に寄り、「ちょっと待ってて」と家の中へ入っていくお兄さん。すると、中から子どもたちが家から出てきて、車の助手席に乗っている私のところへ駆け寄ってきました。

英語はあまりわからないものの、ずっとニコニコ近くにいる子どもたち。きっと外国人が珍しいのでしょう。ひとときの癒やしの時間でした。

コッパーベル屋さんの子どもたち
コッパーベル屋さんの子どもたち

無事に修理中の橋も越え、ブージに帰ることができたのでした。ベル屋のお兄さん、ありがとう!

西インド・カッチでは本来のインドが味わえる

ブージ市内にあるスワーミナーラーヤン寺院
ブージ市内にあるスワーミナーラーヤン寺院

数日間の短い滞在でしたが、これだけの人々の親切に救われました。さらに、ここには書けなかった小さな親切もたくさんあります。

カッチの人々が穏やかでやさしいのは、もともとの地域性と観光客が少ないために外国人に媚びたり擦れたりすることなく、穏やかさが保たれているのもあるのかな、なんて思いました。

手仕事が好きな人はもちろん、インドでちょっと疲れた人にもおすすめできる場所です。

外国人観光客が少ないので、食の選択肢やホテルが少ないなどのデメリットもありますが、「観光客慣れしていない本来のインド」を感じられるのは、大きな魅力だと思います。

ぜひカッチも訪問先の一つとして検討してみてくださいね。

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前回の記事【インド旅行記2023⑨】手仕事好き必見!カッチ地方の村巡りと見どころ

続きの記事マンガ『ONE PIECE』のモデルになったジョードプルの見どころ3選!

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あきえ

2013年にはじめてインドに渡り、半年間のバックパッカー旅中に現地で仕事を見つけ、ニューデリーに移住、2年間滞在。帰国後もインドのボリウッドダンスや刺繍を学び、インドの文化に魅了され続けています。現在はライター・ダンサーとしてインドに関する情報を発信中。

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