インドでバックパッカー&働いた経験もある、インドLOVERあきえです。
前回の、魔境だったムンバイ・ダーダル駅からついに脱出し、グジャラート州カッチ地方・ブージに向かいます。
カッチ地方は、本メディアでも何度かご紹介していますが、刺繍やブロックプリントなどの伝統的な手仕事が今も残る、美しい工芸品が有名な場所です。
カッチの工芸品に魅了された私は、今回が3度目の訪問です。
実は、私はこれまでにインド刺繍を習得し、自身で刺繍作品の制作・販売も行っています。
そのため、今回は刺繍作品に使う糸やミラー・カウベルなどの入手が、カッチ訪問のメインの目的でした。
今回はカッチで有名な「ホワイトラン(塩砂漠)」や過去に訪れた村には行っていませんが、別の村や新しくできたミュージアムなどを訪れました。
今回はブージを拠点にした村巡りと、それぞれの見どころを紹介します。
2023年10~11月までインドに行ってきました!
5年ぶりのインド。
そして、今回ははじめて南インドも旅します。
【旅の全行程】
チェンナイ
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コーチン
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コヴァーラム
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予定外のムンバイ
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ブージ(カッチ)
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ジョードプル
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プシュカル
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デリー
インドを南から北に縦断する壮大な旅のプランです。移動がうまくいくのか?ハラハラしながら旅をしました。
西インド・カッチの村巡り
カッチ地方には少数民族が住む村が多く点在しています。ブージを拠点として、これらの村を巡ることが可能です。(ブージにしか宿泊できるところがほぼないので)
今回、私はローカルバスや乗り合いジープなどを利用して、3つの場所を訪れました。
一つずつ、ご紹介します。
1、アジュラックプール「LLDCミュージアム」
アジュラックプールは、過去にもご紹介している「アジュラック・ブロックプリント」の工房がある村です。
このアジュラックプールに、以前はなかった「リビング&ラーニングセンター(通称LLDC)」ができていました。
ここは、刺繍などの手仕事を行う農村の女性支援を目的とするNGO「Shrujan(スルジャン)」が運営しており、カッチの少数民族による刺繍が展示されています。
2階部分が常設展示となっており、ラバリ族、アヒール族、ジャット族など、それぞれの民族ごとによる刺繍の展示や説明、そして膨大な美しい刺繍作品の数々に圧倒されました。
刺繍や手仕事好きな方は、絶対に行くべき超おすすめスポットです!
公式サイトで、展示物の一部が見られますので、ぜひ覗いてみてください。
さらに、私が訪れたときはちょうどアジュラック・ブロックプリントの展示会を1階で行っていました。
アジュラックはイスラム教の人々によるブロックプリント。美しいイスラミックデザインの布にほれぼれしました。
敷地内にはショップもあり、美しい刺繍の服やショール、ポーチなどが購入できます。
2、ニローナ村のコッパーベル
ブージから北西約40キロ離れたところに位置するニローナ村にも行きました。今回はじめて訪問する場所です。
ここは「ローガンペイント」といわれるアート作品で有名な場所。
……が、諸事情あり、ニローナに滞在できた時間がわずか1時間(泣)。というわけで、今回はローガンペイントを泣く泣く諦め、ニローナへ来た主目的のカウベル屋さんへ向かいます。
というのも、私は自分の刺繍作品でカウベルを使うので、これを買うためにニローナを訪れたのです。
現地では「コッパー(銅)ベル」と呼ばれていますが、今もニローナで手作業によって作られています。
コッパーベルはインドの他の場所でも買えますが、カッチのベルは特に音がいいのです。
というわけで、バスを降りて周りの人に道を尋ね、歩いて5分もかからないうちにベル屋さんに到着。店の中にはいろんな形をしたベルがずらっと並んでいました。
店の人にいろんなサイズのベルがほしいことを伝え、一つ一つ音色を確認しながら選びます。無事にベルを購入できました。
インテリア用やお土産用に購入するのもよさそうですね!
次に訪れるときは、ぜひローガンペイントも見たいものです。
3、マンドゥビ(Mandvi)
さらに今回は、はじめてブージから南にも行ってみました。ブージから南へ約60キロ行ったところ、カッチ海に面した海沿いの街マンドゥビ(Mandvi)です。
ここにはビーチがあり、出店や大きな風船のような遊具があり、インド人たちでにぎわっていました。砂浜ではラクダも歩いています。海とラクダって、なかなか珍しい光景ですよね!
そして、マンドゥビは造船でも有名なところ。今も手作業で船を作っているのだから、すごいことです。
川沿いにずらっと船が並び、トンテンカンテン作業している音が聞こえてきます。
さらに、マンドゥビは海沿いの街なので、街中の安食堂でも魚を食べられます!
実は、私はブージのご飯に飽き飽きしていました。グジャラート州のご飯は他の地域と違った甘めの味付けで、それが私には合わず、食欲をなくしていました。さらにカッチは田舎なので、西洋料理もほとんどない……
グルメ天国だった南とはえらい違い……
そんな中、ブージでは見かけなかった魚料理を発見した私は歓喜し、とってもおいしくいただきました。
(番外編)カッチ女性の民族衣装
ブージのメインマーケットであるシュロフ・バザール(Shroff Bazaar)には、カッチ地方のアンティーク製品やシルバーを取り扱うお店、洋服店などがあります。
この地方独特のミラーがついた刺繍布を見ているだけで心躍ります。
また、マーケットにはミラーや糸などの手芸品を売るお店もたくさんあり、これらのお店にはカッチの少数民族の方々が買い物に来ていることも。
インドと言えば「サリー」を連想するかもしれませんが、カッチの少数民族の女性は、また違った衣装を着ています。
カッチの少数民族はブラウスとスカートに、頭から大きなストールをかけています。そして、このブラウスは背中部分が大きく開いており、暑い砂漠地域で暮らす人が涼しく過ごせるような工夫を感じます。
サリー姿とは一味違う、カッチ地方の女性たちを観察するのも楽しいですよ。
【西インド・カッチ地方】有名な観光地ではないけれど、手仕事好きにはたまらない場所
今回は、カッチの村や見どころについて紹介しました。
刺繍・ブロックプリント・コッパーベル、他にも多くの魅力的な手仕事が今も残るカッチ地方。ものづくりや手仕事が好きな人にとっては、これほど魅力的な土地はありません。
カッチ地方は有名な観光地ではないため、外国人観光客はあまり見かけません。しかし、手工芸の美しさから、買い付けや商品作りのために世界のバイヤーやデザイナーが訪れています。
さらに、カッチの人々はとても穏やかで誠実な人が多いので、ゆったりと過ごせます。
次回は、そんな誠実なカッチの人々のエピソードをお届けしようと思います。
前回の記事【インド旅行記2023⑧】警察のお世話に⁉ムンバイのダーダル駅は迷宮だった
続きの記事【インド旅行記2023⑩】本来のインドが味わえる?穏やかで親切な人が多いカッチの魅力
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