北インドと南インド料理の違いは?それぞれのおすすめも紹介します

北インドと南インド料理の違いは?それぞれのおすすめも紹介します カルチャー
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今、日本でも南インド料理の人気が出てきており、本格的な料理が楽しめるレストランも増えてきました。

でも、ちょっと待って。

そもそも北インド料理と南インド料理の違いってなんでしょうか?
その違いをご存じですか?

インドは広く、州や地域によっても食べられているものが異なりますが、中でも「南インド」と「北インド」では大きく違うんです。

この記事では、北・南インド料理の違いやそれぞれの料理の特徴、具体的なご飯を紹介します!

北インド・南インド料理の特徴

まず、北インドと南インドの大きな違いは、主食が小麦粉か米かの違いです。そして、カレーの種類も北と南では異なります。

明確に言うと、インド料理のことを「カレー」と言っていいのかは迷うところではありますが、ここでは便宜上カレーと呼ばせていただきます。

それを踏まえて、それぞれの特徴を見ていきましょう。

北インド料理の特徴

北インド料理

北インドは小麦粉が主食。インド料理と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるのは「ナン」だと思いますが、これは北インド料理です。

そしてカレーの方は、バターやクリームなどの乳製品や油を使い、こってりクリーミーなものが多いのが特徴。これは、16~19世紀に支配を受けたムガール帝国時代の宮廷料理の影響とも言われています。

こってりした濃い味付けのチキンカレーや、バターをたっぷり使ったダール・マックニーなどがあります。料理については、後ほど解説しますね。

南インド料理の特徴

タマリンド
南インド料理でよく使われるタマリンド

南インドは米が主食。米とカレーというスタイルだけではなく、ドーサやイドゥリなど米を加工した食べ物も多いのが特徴です(こちらも後ほど解説します)。

カレーは北インド料理のようなとろみは少なく、スープ状でシャバシャバのものが多いです。また、ココナッツやタマリンドを使った料理も多いのが特徴で、南インド料理の方が日本人の口に合うと個人的には感じます。(もちろん北インド料理も大好きですけどね!)

なぜ北と南で大きく違うの?

第一に、気候の違いがあげられます。

北と南では気候が大きく異なり、北インドの冬は5度近くまで気温が下がることもある一方、南インドは年間を通して30度前後と暑い気候。

当然、育つ作物にも違いが出ます。北インドは乾燥した気候から小麦が育てやすく、南インドでは米の生育に適した環境です。

また南インドは年中暑いため、食欲増進のために酸味や辛味の強い料理が多いとも言われています。酸味の強いタマリンドを多用するのも、南インド料理の特徴です。

北インドのおすすめ料理

では、具体的にどんな料理があるのか紹介しましょう。まずは北インド料理から!

チャパティ(ロティ)

左がチャパティ
左がチャパティ

先述した通りインド料理と聞いて「ナン」を思い浮かべる方が多いと思いますが、実はこれ、インドではあまり食べられません。

というのも、ナンとはタンドール窯を使って作るものであり、一般家庭にはそのような設備はないので、作れないのです。インド人にとっても「高級レストランで時々食べる」くらいの位置づけです。

そして、ナンは精製した小麦粉を使っているので、価格が高いというのも理由の一つ。精製されていない全粒粉は価格が安く、一般市民に広く使われています。

その全粒粉を使って、家庭のフライパンで作られているのが、チャパティ(ロティ)です。

私はインドに行って、チャパティのおいしさにハマりました。全粒粉を使っているからなのか、噛んでいると粉のやさしい甘みが口の中にじんわり広がるのです。それがおいしい!

これは割とシンプルなターリー
シンプルなターリー

ちなみに、いろんなカレーが一つのプレートにのった北インドの定食「ターリー」には、チャパティとご飯両方あることが多いですね。

バターチキン

バターチキン
ちょっとわかりにくいですが、ご飯の手間にあるのがバターチキンです

こってり濃厚なバターチキンは「これぞ北インドの味!」といった味わいで、ザ・王道です。北インドに行ったら、ぜひ食べてみてほしいですね。

辛味は少なく、マイルドな甘みのある料理なので、辛いものが苦手な人でも食べやすいと思います。

ダール・マックニー

ダール・マックニー

ウラド豆とキドニービーンズ、そして大量のクリームとバターを使って出来上がるのが、こちらのダール・マックニー(「ダール・マッカニー」と表記されることも)。

豆と野菜だけのベジタリアン料理なのですが、カロリーがすごいんです。知り合いのカレー屋さんは「カロリー爆弾」と呼んでいました。

しかし、ベジタリアン料理でここまで濃厚な味わいを出せるのが、インド料理のすごいところだと思います。私はこのダール・マックニーにドハマりし、インド滞在中は週2~3回食べていました。北インドで一番好きな料理です!

アルーパランタ

アルーパランタ

一見するとチャパティと変わらなく見えますが、こちらは中にスパイスで味付けしたじゃがいもが入っています(「アルー」はヒンディー語でじゃがいもの意)。チャパティの生地に味付けしたじゃがいもを入れて、伸ばして焼くと、このような形になります。

写真左上にある「アチャール」というインドの酸っぱ辛い漬物と一緒に食べるのが一般的で、北インドでは朝食として食べられているものです。

シンプルな味わいのアルーパランタと、刺激的なアチャールとの組み合わせがクセになるんですよ(これもハマって、一時期は毎朝食べていました)。

プーリー

プーリー

写真のものはカレーがのせられているため潰れていますが、本来はぷっくりと丸い形をしています。

こちらは、先述のチャパティを油で揚げたもの。カレーとともに食べられる北インドの定番朝食メニューです。

「え、朝から揚げ物?」って思いますよね。私もはじめて聞いたときはびっくりしましたが、はい、朝から揚げ物を食べるんです。すごいですよね。

プーリーを揚げるインド人

朝食だけではなく、気軽に食べられるスナック的な感じで、屋台もあります。大鍋でプーリーを揚げています。

南インドのおすすめ料理

北インド料理は、写真からもこってり濃厚な感じが伝わったでしょうか。

ここからは対照的な南インド料理を紹介します!

ミールス

ミールス

北インドでは定食のことを「ターリー」と呼びましたが、南では「ミールス」と呼びます。写真のように、プレートにたくさんのおかずが並んでいて、ご飯にかけながら食べます。

このミールスに必ずついているのが、「サンバル」と「ラッサム」です。

サンバルは豆と野菜を煮込んだ料理で、日本人にとってのみそ汁のようなものだと言われています。それくらい、あらゆる食事についてきます。

一方、ラッサムはトマトやタマリンドを使った酸味と辛味のあるスープ。かなりガツーンとくる酸味と辛味ですが、消化を助ける役割もあるそうです。南インドの暑い気候に欠かせない料理なのでしょう。

葉っぱにのったミールス

また、ミールスは写真のようにバナナの葉っぱにのせて提供されることも。現地の方は、これを上手に手で食べます。

「南インド!」って感じがしますね~

ドーサ

ドーサ

「南インドは米をそのまま食べるだけではなく、加工して食べる料理も多い」と述べましたが、このドーサや次に述べるイドゥリ・ワダがそれです。

ドーサは米粉と豆を発酵させて、鉄板でクレープ状に焼いたもので、朝食の定番です。ドーサにもいろんな種類があり、中にスパイスで味付けしたじゃがいもが入っているもの、生地だけのシンプルなものなどさまざま。

そして、付け合わせには写真のようにサンバル(右)とココナッツチャツネ(左)がついてくることが多いですね。

このココナッツチャツネが、ほんのり甘くて本当においしいんですよ……!

ドーサ
こんな形のドーサもあります

イドゥリ・ワダ

イドゥリ・ワダ

イドゥリは白い蒸しパンのようなもの、ワダは見た目がドーナツのようなものです。どちらも米を加工して作ったもので、こちらも定番の朝食メニュー。サンバルとココナッツチャツネがついてくることが一般的です。

イドゥリは発酵独特の酸味が少しあり、日本人にはやや好き嫌いがわかれるお味。私は大好きです!

ワダは味のないドーナツのような食感。揚げたてで、ふわふわのワダをサンバルやチャツネと食べるとたまらなくおいしいですよ。

北インドと南インドのご飯は、違いすぎるほどに違う

北インド料理と南インドの料理。食べてみると一目瞭然ですが、全然違います。

北インドは濃厚こってり、南インドはサラッとそしてヘルシーです。南インド料理が今日本で流行っているのも、うなずけます。

またインドは広いので、他にも地域ごとにベンガル料理やオディッシャ料理、グジャラート料理など、さまざまな料理が存在します。ざっくりと「北と南」ではわけられないほどバリエーションが豊富なのですが、この記事ではひとまず北と南に大きくわけてご紹介しました。

今は日本でも南インド料理がブームになっているので、インドに行けなくとも、ぜひお近くのレストランに足を運んでみてくださいね。

他にも、紹介したいインド料理が山ほどあるので、またご紹介します!

インド料理について解説しましたが、私は料理の専門家ではないため、万が一間違っている箇所がありましたら申し訳ございません。ご一報いただければ、訂正いたしますので、お問い合わせよりご連絡ください。

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