【西インド】クリエイティブの街カッチで出会ったおもしろい人々

【西インド】クリエイティブの街カッチで出会ったおもしろい人々 カルチャー
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これまで過去記事でカッチの魅力について紹介してきました。

過去記事でも述べている通り、カッチは工芸品の宝庫です。有名な観光地ではないけれど、世界中からバイヤーやデザイナーが訪れる場所でした。

そんなカッチで、世界中から集まったおもしろい人々に出会いました。今回は、そんな「カッチで出会ったおもしろい人」を紹介したいと思います。

ブロックプリントを作っていたオランダ人

西インド・カッチで見てほしい手仕事 刺繍以外にもたくさんある工芸品の宝庫」で紹介した、アジュラック・ブロックプリントを行っているスフィヤンさんの工房。ここは世界中の人が訪れる場所です。

私が滞在していたときも、オランダ人グループがこの工房で布づくりをしていました。

スフィヤンさんの工房で布づくりをするオランダ人グループ
オランダ人グループが作った布を見せてもらった

このおじさんはつたない英語で、「ブロックプリントはオランダにもあるんだよ。僕たちはオランダとインドのものを融合したものづくりをしているんだ」と教えてくれました。このデザインもとっても素敵。

オランダにもブロックプリントがあったとは驚きです!

カッチの布で服作りをする日本人・イギリス人

カッチのアジュラック・ブロックプリントやカディ布を使って、自分たちのデザインで服作りをしている人にも出会いました。

カディ

手紡ぎ・手織りの布。イギリス統治下でマハトマ・ガンディーがカディをまとい、イギリス製品ではなく自国の製品を作って使用することを呼びかけたことで知られる。

滞在していた宿でお隣の部屋だった日本人女性は、毎年カッチに滞在し、自身のブランドの服を作っていました。

カッチのブロックプリント布を仕入れ、自身がデザインした服をインド人に仕立ててもらっていたのです。できあがった服は、日本各地の展示会で販売していました。

インドでは布を買ってテーラーに仕立ててもらうのが一般的なので、街中にテーラーがいる

また、イギリス人女性も同様、カッチで布を仕入れ、自身のブランドを展開していました。

このように、インドのものをインドで仕立てる人々もいますが、そこには人知れぬ苦労があります……

それは、インド人は決して時間通り、オーダーした通りに仕立ててくれないからです。

日本人女性も話してくれましたが、服と合わない変な糸で仕立てられることもあったそうです。それでも根気よく、相性のいいテーラーを探し、やっといい人たちと出会えたと言っていました。(それでも問題は起きますが)

また、インドのもので服や雑貨を作っているという日本人男性にも出会いました。しかし、その人は「もうインドでものづくりをするのはやめたよ。大変すぎるから。今はインドで買って、タイで作ってもらってる」と言っていたのです。

インドでのものづくりは、日本では考えられないようなトラブルや苦難があります……そんな苦労を乗り越えて、かわいいものを生み出してくれる方々には頭が上がりません。

自分の店を持ち、買い付けに来るアメリカ人

自国で雑貨店を営むアメリカ人女性にも出会いました。

実は、インド人のガイドさんに頼むときに「ちょうど買い付けに来ているアメリカ人がいるんだけど、その人と一緒に村をまわるのはどうかな?」と提案され、おもしろそう!と思い、一緒に行ったのです。

ベルを買い付けているアメリカ人女性

この人は、毎年インドやアジア各国を訪れていて、買い付けをする様子が見れました。きっと私一人では行く機会のないようなところまで行けたので、おもしろかった!

ガイド兼ヴィンテージコレクターのインド人

アメリカ人女性の買い付けに同行するのを提案してきた人こそ、ガイド兼ヴィンテージコレクターのSalimです。私は友だちからSalimを紹介され、ガイドをお願いしました。

Salimはガイドとしてだけではなく、ヴィンテージの収集もしていて、一緒に村に行ったときは買い付けのようなこともしていました。

村人となにやら交渉しているSalim

もともとはお父さんがヴィンテージの収集をしていて、「僕たちの夢は博物館を作ることなんだ」と話してくれました。Salimの家にも遊びに行きましたが、これまでに集めたヴィンテージ品が部屋の中にぎっしり詰まっていて「本当に博物館ができそうなくらいの量があるな」と思ったものです。

Salimに見せてもらった約100年前のバンダニ(絞り染め)ストール

私はこちらの刺繍布を購入しました。今も大事に飾っています。

Salimはカッチの工芸品に詳しいため、海外から訪れるバイヤーやデザイナーを案内する機会も多くあるようです。彼は留学経験などもなく、独学で英語を学んだと言っていましたが、驚くほどきれいな英語を話していました。

自分の好きなことで、努力もしながら働くSalimの姿に、私は大きな刺激を受けました。

Salimだけではなく、カッチで出会った他の人々もそうです。みんな自分の好きなことで仕事をしている人でした。彼らを見て「いつか私も自分の好きなことで生きていける人間になりたい」と強く思ったのです。旅の出会いは、多くの刺激をくれます。私にとって、人との出会いも旅の大きな魅力の一つです。

さて、SalimのInstagramにたくさんの工芸品がアップされているので、よかったら見てみてくださいね。

Salim Wazir : https://www.instagram.com/salim_wazir/

カッチ地方・ブージの老舗宿

ちなみに、今回ご紹介したアメリカ人以外の人々とは、私が滞在した「シティ・ゲストハウス」で出会いました。カッチ地方の中心地・ブージの街なかにある、老舗宿です。

中庭のようなスペースを囲む作りになっていて、みんなこの中庭で朝食を食べたり、お茶を飲んだり、思い思いのときを過ごしていました。ここで、さまざまな人と交流する機会があり、今回登場したデザイナーなど海外から来た人々と知り合えたのです。

私は宿選びもかなり重要なポイントだと思っていて、宿の構造や雰囲気で、人と交流しやすいところ、そうでないところがあると思っています。

シティ・ゲストハウスは構造も雰囲気も多くの人と交流できる、とてもよい宿でした。

今回は、カッチで出会ったおもしろい人々を紹介しました!ここに紹介しきれなかった人もいて、カッチは工芸品だけではなく、世界中から訪れるバイヤーやデザイナーなどクリエイティブな人が多くいることもおもしろいポイントです。

本当にカッチの魅力は語り切れませんね。今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

あきえ

2013年にはじめてインドに渡り、半年間のバックパッカー旅中に現地で仕事を見つけ、ニューデリーに移住、2年間滞在。帰国後もインドのボリウッドダンスや刺繍を学び、インドの文化に魅了され続けています。現在はライター・ダンサーとしてインドに関する情報を発信中。

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