インドでバックパッカー&働いた経験もある、インドLOVERあきえです。
「インドは怖い、危険」
「インド旅行なんてやめたほうがいい」
という声をよく聞きます。
確かに、外国人観光客を騙そうとする悪いインド人はたくさんいますが、命を取られる危険まではない、というのが私の体感です。
だからといって、危険な目にはなるべく遭いたくないですよね。
そこで、女一人でバックパッカー旅をした私が経験した、怖い体験談を紹介します。これからインドに行くのなら、きっと参考になるはずです。
痴漢
サイクルリキシャに乗っているときに通行人から触られた
インドには、エンジンで動く「オートリキシャ」と、自転車の後ろに人が乗れるようになっている「サイクルリキシャ」の2種類のリキシャがあります。
私はこのサイクルリキシャに乗っているときに、痴漢に遭いました。
超混雑した人々の合間をぬって、リキシャがのろのろと進んでいたときのことです。前から歩いてきた男性が、すれ違い様に私の胸を触ってきました。
一瞬の出来事だったので、頭が真っ白になり、なにが起こったのかわかりませんでした。
振り向いたときは、すでに遠く。でも、にやにやしている顔だけは見えたような気がします(許せん)。
これは、気を付けようがないかもしれませんね……
「アロマの店をやっている」で、ついて行ったら
南インドのマイソールという街にいたときのことです。
マイソールは「サンダルウッド」というインド原産のアロマが有名な地域。そのため、アロマ製品を取り扱っているお店も多く、私は少し興味を持っていました。
道端で知り合ったインド人男性に「アロマの店をやっている。いい商品を扱っているから来ないか」と言われて、ついて行きました。
こぢんまりとした店内にずらっとアロマが並べられていて、感心していると「マッサージをしてあげるよ」と言われて、されるがままに。
最初は普通に腕や肩をマッサージしてくれていたのですが、その手はだんだん胸の方に。
怖くなって、「もういい。帰る」と言って、店を出ました。
その男性は店の外までついて来たものの、それ以上は追ってこなかったので、よかったですが……
旅の終盤だったので、警戒心が薄れていたのかもしれません。ちなみに、似たような経験をした友人もいます。
スリ
私の場合は幸いなことに未遂で終わりましたが、危なかったことが2回ほどあります。
私はいつもファスナーのついた斜めがけバックを使っていたのですが、小さな商店で買い物をしていたときに、「シャッ」という音がして、とっさに後ろを振り向きました。
すると、インド人女性がそそくさと逃げていくのが見えました。見るとバッグのファスナーが空いています。幸いなにも盗られておらず、すぐに気が付いてよかったです。
2回目は、マーケットで買い物をした帰りに道端でオートリキシャを拾おうとしていたときのこと。隣にいたアフリカ系らしき女性が私のバッグのファスナーを空けたのです。パッと振り返ると、何事もなかったようにそっぽを向いています。
一方で、こんな経験もあります。
デリーのスターバックスでコーヒーを飲んでいたとき、見知らぬ女性がいきなり話しかけてきました。
「ちょっとトイレ行ってくるから、私のバッグ見ててね!」
そう言って、さっさと行ってしまいました。見ると、本当に彼女のかばんはイスに置きっぱなしにされているではありませんか。
盗みを働く人がいる一方で、こんなおおらかな一面もあるのです。またインドのスリは、ヨーロッパほどひどくはありません。しっかり注意していれば防ぐことが可能です。
ぼられる
これはインドでは日常茶飯事……
ただ、その額の大小が問題で、小さい金額だったらそこまで目くじらを立てることはありません。しかし、額が大きくなると話は別です。
私ははじめてのインド、そしてはじめてのデリー観光で経験しました。
デリーの観光スポットとして有名な「ラール・キラー」に行こうとしたときのことです。最寄りの駅までメトロで行って、そこからサイクルリキシャに乗ろうと思っていました。
駅では大量のサイクルリキシャが待ち構えており、あっという間に取り囲まれます。
インドに着いた翌日だったので、インド人の押しの強さにも慣れておらず、値段交渉もままならず、言われるがままに一人のおじさんのリキシャに乗り込みました。
走り出すと「インドははじめてか?ツアーをしてあげるよ」などと言って、勝手にいろんなところをまわり始めました。そして、お土産屋さんにも連れて行かれたのです。(今思えば、ここでマージンが取れる仕組みだったのでしょう)
なにかを買ったのかは覚えていませんが、リキシャで5~10分くらいの道のりだったはずなのに、結局1時間ほど連れまわされました。
そして、最後に1,000ルピー(約1,700円)を要求されたのです……!
メトロからラール・キラーまで行くだけだったら50ルピー(約85円)ほどの距離。それが20倍です……‼
「ああ、これがインドの洗礼ってやつだな……」と思いながら、諦めの気持ちで1,000ルピーを支払いました。
その他、インドでよくある手口
私は首都デリーで日系の旅行会社に勤めていました。ほとんどがパッケージツアーだったのですが、中には航空券のみといった自由旅行スタイルのお客様も少数いました。
そういった人には、旅行会社は基本的にすることはないのですが、時々「騙された」というご相談に来る人も……
そんな事例も少しご紹介します。
ぼったくり旅行会社に連れていかれた
デリーの詐欺で定番中の定番。なのに、騙される人が後を絶たない手法です。
タクシーやリキシャで「今日はデモでこの道が通れないからホテルに行けない」「今日はその施設は休みだ」などと言って、旅行会社に連れていき、高額のパッケージツアーを組まされます。(運転手と旅行会社はグル)
その際、「DTTDC(デリー観光開発公団)だ」と語るのが常套手段ですが、これは嘘なので信用してはいけません。
政府公認の旅行会社が客引きをすることは絶対にありません。
睡眠薬強盗
ある日本人男性が、観光客は絶対に行かないような治安の悪いエリアで発見されて、病院に運ばれた事例があります。
病院へ駆けつけると、その人は意識混濁して訳のわからないことを言うばかり。
どうやら仲良くなった(と思わせた)インド人に誘われ、一緒にお酒を飲み、そこに睡眠薬を入れられたようでした。
幸いパスポートとスマホは無事でしたが、インドでは睡眠薬を使った盗難もよくある手口です。
変に親しげにしてくる人や無理に飲食を勧める人には注意して、もらったものに口をつけないようにしましょう。
結局、その男性は数日入院し、フライトも延期するハメになりました。
安全にインド旅を楽しんで!
この記事を読んで「インド怖……」と思ってしまったかもしれませんね。
しかし女一人でインドに行った私は、特に大きな被害もなく、大部分はとても楽しく旅ができました。
- どんな場所や人が危険なのか
- どんな騙しの手口があるのか
これらを事前に知っているのと知らないのとでは、旅の安全度は大きく違ってくるでしょう。情報は、集めるにこしたことはないと思います。
具体的な対策は「インドで女性の一人旅は危険?気を付けるべきポイントと対策」で書いていますので、こちらを読んでください。
騙す人がいる一方、本当に親切なインド人もたくさんいて(基本的に多くのインド人はすごく親切です)、そういった人と過ごす時間は本当にかけがえのないものです。
過度に怖がりすぎず、かと言って気を緩めず、インドを楽しんでください!
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